新年のご挨拶(著)秋田人変身力会議 会長 荒谷紘毅

秋田人変身力会議会長  荒谷紘毅

 明けましておめでとうございます。

昨年はコロナに明けコロナに暮れた一年でした。

国家的イベントのオリパラや首相交代、衆議院選挙などがありましたが、
コロナウイルスによる国民生活の不安が底流にあり、決して明るい年とは言えませんでした。

当変身力会議の研究会も一度しか開催出来ず、総会も流れてしまいました。
再開の機を窺っていましたがようやくコロナ禍が収まって来たと思えばまたまた新たな変異株の出現、しかし未だ全国的な蔓延には至らず、
感染への対策も整備されており、国民も落ち着いた対応をしていることから注意をしながらではありますが、通常の生活を取り戻すべきかと思い、1月の研究会を企画しました。

講師は前仙北市長の門脇光浩氏です。氏は仙北市長を3期務め、昨年10月「ほかにやりたいことがある」として辞任しました。
在任中には地域活性化のために新しいプロジェクトに積極的に取り組み、初めて自治体としての変身力大賞を受賞しております。

61歳での辞任は政治家としては早いとも思われますが、恋々と地位にしがみついた挙句、選挙で負けてボロボロになって引退に追い込まれる政治
家に比べ、鮮やかな引き際だと思います。何よりも「やりたいことがある」との辞任理由は、新たな変身を標榜する当変身力会議の講師に最適な方と思います。

田沢と角館の激しい政争の中で12年間舵取りを務めた門脇氏の來し方行く末をじっくりお聞きしたいと思います。
なお3月には秋田市の大きな課題となっている「まちづくり」について県外の大学教授による研究会を企画しております。
新年は新たな会員の増強を進めたいと思いますので、28日には是非会員候補者をお誘いして下さい。

新しい年が皆様にとって明るく実りある年になりますよう祈念いたします。

2021年1月

秋田人変身力会議会員の皆様へ

前略、9月に入り秋風を感ずるようになりましたが皆様お変わりありませんか。

変身力会議は昨年からのコロナ騒ぎで思うように研究会を開催出来ず今年は3月の魁新聞松川記者の講演以来休会状態となっております、

県外はじめ4人ほどの講師を予定し、コロナ収束のタイミングを計っていますが一向に収まる気配がなく50人規模の会議を行うことは大変リスクが大きく、

開催の目途を立て難い状態にあります。

 

そうしているうちに会計年度に至ってしまいましたがこういう状態で会費のご請求をするのは不本意と思いますので感染終息し、

研究会再開のスケジュールが決まった時点でご請求させていただきたくご連絡する次第です。

なお、組織や団体で予算組をしている所は、ご連絡いただければ請求書をお送りしますので、会費の納入をしていただいて結構です。

 

ワクチン接種も進んでおり、年内には感染も終息するのではと思いますが、

それまで会員各位は十分お気をつけ、元気な顔で再会出来ることを願っております。

 

2021年9月10日 会長 荒谷紘毅

新年のご挨拶(著)秋田人変身力会議 会長 荒谷紘毅

秋田人変身力会議会長  荒谷紘毅

新年おめでとうございます。とは言え今年ばかりは例年のようにこだわりなく新しい年を祝う気持ちにはなれません。

はや一年にもなろうかという新型コロナウイルスによるパンデミックは一向に沈静化の兆しも見えず、政府が一都三県に二度目の緊急事態宣言を発する事態となり、鳥取に次いで感染者の少ない秋田も毎日のように感染が広がり、加えて県南部の記録的な豪雪は市民生活に大きなダメージを与えました。

これまで変身力会議は2008年の発足以来年6回の研究会を一度も休むことなく開催してきましたが、100年に一度のパンデミックの前には抗えず、6月の研究会は中止の已む無きに至りました。

その後秋田の感染状態を勘案しながら7月の総会、8月、11月の研究会を実施してまいりましたが、
全国的な感染拡大が続く中で本年1月の研究会は開催を断念せざるを得なくなり、誠に残念な思いであります。

しかし、こうした中で大きな課題となっているプロサッカーチームの専用スタジアム建設についての名古屋学院大学萩原准教授の学際的な分析に基づく講演(8月)や、国政、地方政治に係る女性を迎えての男女共同参画のシンポジューム(11月)は、タイムリーなだけではなく、エビデンスに基づく思考、行動がいかに大事であるかを考えさせるものとして、変身力会議らしい問題提起となったのではないかと思います。

今年は米国の政権交代があり、春には県知事や市町村長の選挙、秋までには衆院選が控えており、パンデミックのさなかではありますが国の内外は政治の季節となります。

そうした中で、国民の幸せを実現するべき政治家には何が求められるのかということを考える指標として、
国連の機関であるSDSN(持続可能な開発ソリューションネットワーク)が発表した世界の幸福度ランキング2020年版が注目されます。

6項目の説明変数の回帰分析による幸福度ランキングのベストテンの国の女性議員比率を調べるとすべての国が30%を超えているのです。
(日本の幸福度は62位で、女性議員の比率では14%の119位・秋田に至っては女性議員の比率は県政で11.6%、市長村で8.9%)
政府が旗を振っている「男女共同参画」は看板倒れとなっていますが、女性の政治参画の増加が国民の幸福度に連動するというのは紛れもないエビデンスではないでしょうか?

もちろん政治分野だけではなく、経済、学術文化の世界でも同様でしょう。
「男女共同参画」というのは「男女同権」という理念ではなく、幸福の実現という具体的な獲得目標の手段であると思います。
山形県では女性同士で知事選が戦われています。秋田の何が後進性なのか、それは秋田県民である我々の中に根付く後進性がもたらすものでしょう。
秋田人変身力会議が内なる後進性の克服と、それによって実現される地域社会の幸福度アップの先導役の一端を担えるよう皆様と共に頑張っていきたいと思います。

2021年1月

新年のご挨拶(著)秋田人変身力会議 会長 荒谷紘毅

新年おめでとうございます。

2008年7月に発足した当会も早いもので今年12回目の新年を迎えました。

年6回ペースの研究会兼飲み会も69回を数え、
ここまで続けてこられたのもひとえに会員の皆様のご協力のお陰だと感謝しております。

昨年は新天皇の即位による令和の時代が幕を開け、
ラグビーワールドカップでの日本代表の活躍など明るい話題もありましたが、
一方で相次ぐ自然災害や首里城の焼失、日韓関係の悪化、アフガンでの中村医師射殺など
悲しい事件も起き、政治の世界では長期政権の驕りや緩みから閣僚の相次ぐ辞任、
「桜を見る会」も本来の趣旨とはかけ離れた行事となり、国民の批判を浴びました。

世界では相変わらず「アメリカファースト」を振りまわすトランプ大統領の言動が波紋を広げ、
中国との覇権争いが激しさを増してきました。

国内では想定される南海トラフや首都圏直下型地震への備えがオリンピックフィーバーで忘れられるのではないかと不安に駆られます。

秋田では県や自治体の努力にもかかわらず1万人規模の人口減少が続いており、地域の活力が失われつつあります。

こうした厳しい状況の中でも、変身力会議は会員のみならず、
地域の変身のきっかけとなるような催しを続けていきたいと思います。

世界の平和と皆様の健康をお祈りし新年のご挨拶とします。

2020年1月1日秋田人変身力会議会長荒谷紘毅

新年のご挨拶(著)秋田人変身力会議 会長 荒谷紘毅

2019年1月1日
秋田人変身力会議 会長 荒谷紘毅

 新年おめでとうございます。2008年7月に発足した当会も早いもので今年11回目の新年を迎えました。年6回ペースの研究会兼飲み会も63回を数え、ここまで続けてこられたのもひとえに会員の皆様のご協力のお陰だと感謝しております。

昨年も世界がトランプ大統領に振り回された一年でした。北朝鮮とのチキンレースで緊張を煽り、イージスアショアやF35ステルス戦闘機を日本に押し売りし、見事な営業手腕を発揮した挙句、六月には意表を突く金正恩委員長との会談で北朝鮮の非核化への道筋をつけるなど、まったく想定のできない行動をとる米国大統領には、今年もロシア疑惑を引きずったまま、中国との貿易摩擦、中東政策や移民対策など難問を抱えており、目を離せない状態が続くことでしょう。

国内的には自然災害の多発した年でもあり、北海道では全道停電というブラックアウトが発生、年末には大規模な通信障害も起こり、ITに依存した社会の弱点が露になりました。想定される南海トラフや首都圏直下型地震を考えると、オリンピックや万博に浮かれていて大丈夫かいなと不安です。

セクハラ、パワハラ、モラハラも多発し、多くのリーダーの首が飛んだ年でもありました。日産自動車のカリスマ経営者の逮捕も世界に衝撃を与えましたが、単なる経済事件として終わるわけにはいかないでしょう。

秋田では金農旋風や、秋田犬のブレイク、なまはげの無形文化遺産登録などが県民に元気を与えましたが、足元では少子高齢化と人口減少が全国一のペースで進んでおり、県を始めとする全自治体の重い課題として残っています。首長や議員の真価が問われる年になりそうです。

変身力会議は今年も会員のみならず、地域の変身のきっかけとなるような催しを続けていきたいと思います。会員の皆様には本年も変わらぬご厚誼、ご協力をお願いいたします。

                                     以 上

新年のご挨拶(著)秋田人変身力会議 会長 荒谷紘毅

2018年1月1日

秋田人変身力会議 会長 荒谷紘毅

 新年おめでとうございます。

2008年7月に発足した当会も早いもので今年10年目を迎えます。
年6回ペースの研究会兼飲み会も57回を数え、今年は節目の10周年・60回を迎えます。
ここまで続けてこられたのもひとえに会員の皆様のご協力のお陰だと感謝しております。
新しいことには飛びつくものの、持続力に乏しい秋田県人としては少し変身できたのではないかとも思っています。

昨年の年頭ご挨拶で心配したトランプ政権の動きは、
米国が主導してきたTPPから脱退、カナダ・メキシコとのNAFTAの見直しや北朝鮮とのチキンレース、
中東政策の見直しなどこれまでの政治経済的な積み重ねを全く無視した行動や、
思い付きで発するツイッターで世界中に不安と断絶をばらまき、
危機感に乗じて日本には多額の兵器を買わせ、中国からも28兆円の投資?を取り付けるなど、
ビジネスマンとしての手腕をいかんなく発揮しました。

しかし、
この営業マンには「米国ファースト」という俗耳に馴染むポピュリズムスローガン以外に世界を納得させる何の理念も政策もなく、
分断と憎悪を拡大させたとしか思われません。
米国は知性も品性もない不動産屋に世界最強の軍事力を与えてしまいました。

こうしたトランプの傍若無人な振る舞いに、英、独、仏のリーダーは眉をひそめ、距離を置いていますが、
我が国のリーダーはトランプと「完全に一致」したと運命を共にする覚悟のようです。
白井聡氏の説く『永続敗戦論』そのものの情景ですね。

トランプに押し売りされた一基1000億円というイージスアショアなる危険なおもちゃを住民の気持ちや意見を一顧だにすることなく秋田市に設置することが閣議決定されましたが、
選挙で勝てば何でもできるといわんばかりの政権の態度に、秋田県民は得意技の「物言わぬ民」を貫くのでしょうか?

北朝鮮の信頼性に乏しい核ミサイルが、秋田市に着弾する保証はないし、政権支持者か否かを区別できる筈もありません。
首長をはじめ、県選出国会議員や県議、市町村議など、県民の安心安全を守るべき立場で給料をもらっている公僕たちはどう対応し、
核ミサイルが飛んで来たらどう責任を取れるのでしょうか?お上のやることにNOは言えないのが民主主義でしょうか?

ともあれ、新年早々秋田は国際的な緊張のど真ん中に立たされてしまいました。
変身力会議は政治団体ではありませんが、偏狭なナショナリズムを排し、忌憚のない論議を深めることで秋田の千年王国への道を探ってまいりたいと思います。

会員の皆様には本年も変わらぬご厚誼、ご協力をお願いいたします。

この冬も日本酒を楽しみましょう(著)秋田人変身力会議 幹事 鈴木絵美

年末が近づいてきましたね。みなさま、忘年会や新年会の予定にワクワク心踊らせていることでしょう。秋田の宴会には、秋田の日本酒が欠かせませんよね。すでに今年の新酒も続々と出てきています。フレッシュでみずみずしい、できたてピチピチの「しぼりたて生酒」で乾杯してみませんか?

前菜やお刺身には冷たいお酒で、味の濃い煮物や鍋ものにはお燗酒もいいですね。温度を上げると旨味が出てきて、香りや余韻ものびやかになりますよ。お燗するお酒には酒蔵で寝かせた火入れ酒がおすすめ。熟成して角がとれ、まろやかな膨らみのある味わいになっています。

アツアツの「熱燗」もグッときますが、私は「ぬる燗」も大好き。身も心もとろ~んと気持ちよくなる、お風呂と同じくらいの温度(40℃)です。口の中でやさしくやわらかく広がって、目を閉じて「あぁ、極楽~」と言いたくなる、幸せなお酒になりますよ。

よく「おすすめの秋田酒は?」と聞かれますが、秋田の日本酒は、年々、洗練されて美しさを増し、どの銘柄も素晴らしく美味しくなっています。旨味が広がりつつも酸味のバランスが絶妙で、飲んだ後も爽やかで、飲み飽きしません。良質のお米やキレイな水、ひたむきな造り手の心が表れているようです。

具体的に銘柄を挙げるとすれば、若い方には東京でも大人気の「新政」「山本」が会話が盛り上がりそう。じっくりとお酒に向き合ってみたければ、「雪の茅舎」「福小町」などを飲むと、その旨さに酔いしれることでしょう。

(ちなみに、今年の秋田県清酒品評会の出品酒146点すべて試飲してみました。私が「おっ!」と思ったのは 「飛良泉」と「阿櫻」でした。)

そんな美味しいお酒に囲まれているから、楽しくて、ついつい飲みすぎてしまうんですよね。悪酔いや二日酔いが心配になりますが、私が心がけている予防策を3つお教えしましょう。

まず1つめは、絶対に空腹で飲み始めないこと。脂質のあるドレッシングやナッツで急激なアルコール吸収を防げます。2つめは、お酒を飲む合間に、お水も飲むこと。量の目安は、お酒と同じくらいです。最後に3つめは、少し早めに帰って、すぐ寝てしまわないこと。眠ってしまうとアルコールの分解が遅くなってしまうので、水分をとりながらなるべく起きています。

次の日の朝、目覚めるまでが宴会です。仲間との楽しい思い出を作って、さらに爽快な気分で目覚めましょうね。

それではみなさま、これからの酒宴ラッシュ、存分に楽しんでいきましょう!!

(秋田人変身力会議 幹事 鈴木絵美)

男鹿に鹿がいなくなった訳(著)秋田人変身力会議 事務局長 永井 健

 明徳館高校で開講している社会人向けの講座「専門郷土史」を週1回受講し

て10年目になります。先日、標記講義を担任の半田和彦先生から教わりまし

たので、会員の皆様にも興味深い内容と思いましたので送信致します。

 男鹿には地名の由来にもなった思われる鹿が古くから生息していましたが、

室町時代から当地を支配していた安東氏に狩り尽くされてしまったので、佐竹

藩2代藩主義隆(在位1633~1671)が慶安2年(1649年)に、武具の皮革を

得ることを目的に鹿を3頭放牧しました。

それが53年後の元禄15年(1702年)に農民から鹿が増えて農作物に被害

出ているので、追い払って欲しいとの願い出がありました。藩としては生類憐

みの令が施行されていたので、幕府にお伺いを立て許可を得て船岡村(現在の

大仙市協和町内)のマタギに鉄砲での駆除を依頼しましたが、雪が少なかった

こともあり3頭しか仕留められなかったとの記録があります。

 鹿は年間4回出産するので狼、熊等の天敵及び人間の駆除が無い限りは20年で9倍程度に増えるとのことですので、53年後には1千頭にも増殖していた

と予想されますから、大変な被害であったことが想像されます。

このため藩では宝永3年(1706年)から安永元年(1772年)までの67年

間に11回の駆除作戦を展開し、合計6万6千頭を駆除した記録にあります。

比較的詳細な記録が残っている享保15年(1730年)には、代官他武士が6名、足軽8名(うち筒持4名)、勢子(近在の農民で鹿を追うための雇い人)

延べ8千7百人(北1,100人×6日、南7百人×3日)、鉄砲11丁で8千頭を駆除しており、駆除の主な方法は鹿を鉄砲と勢子で入道崎(鹿落としの岬)に追い込み、岩から追い落としたようです。

 その後は生息数も急減したこともあり、藩の費用で駆除することはなくなり

ましたが、猟師に狩猟許可を出したり、マタギを常駐させたりして駆除に努め

たところ、安政6年(1859年)を最後に藩の公式記録に男鹿で鹿による被害

及び駆除が記載されなくなりましたので、その頃に男鹿から鹿がいなくなった

と推測されます。

 (秋田人変身力会議 事務局長 永井 健)

辻堂駅開設100周年記念「浜辺の歌」コンチェルト(著)地域資源の会秋田 代表 加藤真一

私が帰郷後に取組んでいる「秋田-湘南プロジェクト」の一つ「浜辺の歌」構想

が実現しました。12月1日から神奈川県藤沢市にあるJR辻堂駅開設100周年

記念行事として「浜辺の歌」が発車メロディとして流れることが決まりました。

今週末の26、27日に式典イベントとして浜辺の歌コンチェルトが辻堂駅前広場
で行われ、夜には藤沢市長と北秋田市長を囲んでの親睦交流会が開催されます。

私はこのプロジェクトの提唱者として、浜辺の歌の作曲者・成田為三の出身地である津谷永光北秋田市長及び「浜辺の歌音楽館少年少女合唱団」と一緒に参加します。

式典の模様は秋田魁新聞及び秋田朝日放送が取材し報道する予定ですので、ぜひご覧下さい。

佐竹秋田県知事及び金田法務大臣より祝電が届いておりますが,佐竹知事には

変身力研究会50回記念講演会時に、この「浜辺の歌」構想をお話しすると興味を示して下され「祝電」を約束し実行して頂きました。式典開演の冒頭に祝電を披露させて頂くことにしました。

この「浜辺の歌」が秋田と湘南の新しい地域交流の懸け橋になることを期待しております。

(地域資源の会秋田 代表 加藤真一)


ドイツ帝国への反感(著)秋田人変身力会議 事務局長 永井 健

 9月下旬にアメリカ司法省がドイツ銀行に住宅ローン担保証券の不正販売に絡んで、日本円にして約1兆4千億円の制裁金を課すとの報道から同行の株価が急落した。その後制裁金が約5千4百億円に減額されるようだとの報道があって株価が持ち直したが、この影響を受け世界の株式市場は乱高下した。

 しかし、住宅ローン担保証券(いわゆるサブプライムローン証券)の販売は、2008年以前(いわゆるリーマンショック)に行ったものであり、8年以上も経過した時点での制裁金の発動には強い違和感を持った。

 たまたま、10月上旬に東ドイツ、チェコ、オーストリア、ハンガリーの中欧を旅行する予定があったことと、上記ドイツ銀行への制裁金の真相を探るためもあってフランスの高名な人類学者エマニュエル・トッド著「ドイツ帝国が世界を破滅させる」を読んだので、イギリスの離脱や難民問題で揺れるEUの実情を含めて拙文を寄稿することにした。

 著者のトッドは1976年にソ連の乳児死亡率の上昇からソ連邦の崩壊を予測して有名になった歴史人口学者でもあるが、最近のロシアはプーチンが支配してから乳児死亡率が著しく低下しているので、ソ連システム崩壊による激しい動揺と、90年代のエリツィン統治を経て、再生の真最中であることを示していると分析している。

 著者のヨーロッパの現状分析は、EUの成立、ユーロの導入でドイツが一人勝ちする「ドイツ帝国」が誕生し、特に為替という調整システムを失ったユーロ圏では、ドイツが旧ソ連の支配圏であった東欧に住む良質で安価な労働力を活用して部品を調達するシステムを確立し、ユーロ圏との貿易で最大の黒字を計上してヨーロッパを支配しているとの認識である。

 トッドによるとドイツ帝国の勢力図は、ドイツ圏としてオーストリア、チェコ、スイス、スロベニア、クロアチア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの8ヵ国、自主的隷属国としてフランス、衛星国としてスウェーデン、エストニア、ラトビア、ポーランドの4ヵ国、事実上の支配国としてフィンランド、デンマーク、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャ、キプロス、イタリア、アイルランド、ポルトガル、スペインの11ヵ国を挙げており、さらに旧ユーゴ諸国やアルバニア、旧ソ連のウクライナ、グルジアにも触手を伸ばしていると分析している。

 特にウクライナは人口45百万の人口大国であることから、労働力人口の減少に悩むドイツにとっては魅力的な国であり、ウクライナ紛争は事実上ドイツとロシアの代理戦争であると著者は見ている。

ちなみに今回訪問したドイツの人口は80百万人、チェコ、オーストリア、ハンガリーは10百万人前後なので、ウクライナの人口の多さが注目される。

 このようなドイツの勢力圏拡大に対してアメリカは快く思っていないので、冒頭のドイツ銀行叩きが起こったのではないかと考えられる。ドイツ銀行は財政及び貿易赤字に悩むヨーロッパ各国に多額の融資をしており、勢力圏拡大の先兵になっているからである。

 また、国内経済が好調で労働力が慢性的に不足しているドイツは、EU最大の課題である人の移動の自由については現状維持を主張し、難民の受入にも積極的である。しかし、イギリスは移動の自由への不満からEUを離脱し、ポーランド、ハンガリーは難民の受入を拒否する姿勢を強めてドイツと対立している。

 著者はドイツ帝国の成立で崩壊の危機を迎えているEUを救うは、祖国フランスであるとしているが、前大統領サルコジも現大統領オランドもフランス金融資本の言い成りになっているので、その役割を担っていないと厳しく批判している。

 著者のEUを維持するための政策として①ヨーロッパの保護主義的再編成について、ドイツを相手にタフな交渉を開始する②主要銀行を国有化する③政府債務のデフォルトを準備することを提案している。

 しかし、①についてはユーロを残したままの保護施策は関税ということになりEUの理念に反すること②についてはヨーロッパ中央銀行(ECB)への挑戦でありユーロの崩壊を招く恐れがあること③についてはインフレを招来し国家の存亡に関わり、当事国の国債を所有する民間銀行の破綻に繋がる等現実的な政策とは考えられない。

 ということでドイツ帝国の成立でEUは崩壊の危機を迎えているので、EUの維持さらには世界平和のためにもドイツには自制心を持った賢明な施策を求め続けることが結論ということになるが、東アジアでも中華帝国が成立しており、我が国もドイツを他山の石としアメリカ等と連携した賢明な施策が求められている。

(秋田人変身力会議 事務局長 永井 健)