新年のご挨拶(著)秋田人変身力会議 会長 荒谷紘毅

秋田人変身力会議会長  荒谷紘毅

新年おめでとうございます。とは言え今年ばかりは例年のようにこだわりなく新しい年を祝う気持ちにはなれません。

はや一年にもなろうかという新型コロナウイルスによるパンデミックは一向に沈静化の兆しも見えず、政府が一都三県に二度目の緊急事態宣言を発する事態となり、鳥取に次いで感染者の少ない秋田も毎日のように感染が広がり、加えて県南部の記録的な豪雪は市民生活に大きなダメージを与えました。

これまで変身力会議は2008年の発足以来年6回の研究会を一度も休むことなく開催してきましたが、100年に一度のパンデミックの前には抗えず、6月の研究会は中止の已む無きに至りました。

その後秋田の感染状態を勘案しながら7月の総会、8月、11月の研究会を実施してまいりましたが、
全国的な感染拡大が続く中で本年1月の研究会は開催を断念せざるを得なくなり、誠に残念な思いであります。

しかし、こうした中で大きな課題となっているプロサッカーチームの専用スタジアム建設についての名古屋学院大学萩原准教授の学際的な分析に基づく講演(8月)や、国政、地方政治に係る女性を迎えての男女共同参画のシンポジューム(11月)は、タイムリーなだけではなく、エビデンスに基づく思考、行動がいかに大事であるかを考えさせるものとして、変身力会議らしい問題提起となったのではないかと思います。

今年は米国の政権交代があり、春には県知事や市町村長の選挙、秋までには衆院選が控えており、パンデミックのさなかではありますが国の内外は政治の季節となります。

そうした中で、国民の幸せを実現するべき政治家には何が求められるのかということを考える指標として、
国連の機関であるSDSN(持続可能な開発ソリューションネットワーク)が発表した世界の幸福度ランキング2020年版が注目されます。

6項目の説明変数の回帰分析による幸福度ランキングのベストテンの国の女性議員比率を調べるとすべての国が30%を超えているのです。
(日本の幸福度は62位で、女性議員の比率では14%の119位・秋田に至っては女性議員の比率は県政で11.6%、市長村で8.9%)
政府が旗を振っている「男女共同参画」は看板倒れとなっていますが、女性の政治参画の増加が国民の幸福度に連動するというのは紛れもないエビデンスではないでしょうか?

もちろん政治分野だけではなく、経済、学術文化の世界でも同様でしょう。
「男女共同参画」というのは「男女同権」という理念ではなく、幸福の実現という具体的な獲得目標の手段であると思います。
山形県では女性同士で知事選が戦われています。秋田の何が後進性なのか、それは秋田県民である我々の中に根付く後進性がもたらすものでしょう。
秋田人変身力会議が内なる後進性の克服と、それによって実現される地域社会の幸福度アップの先導役の一端を担えるよう皆様と共に頑張っていきたいと思います。

2021年1月